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アミノ酸、L-カルニチンが脂肪酸(FA)代謝の中心的役割を担っていることはよく知られている。長鎖脂肪酸を酸化(エネルギーとして使用するために燃焼すること)するためにミトコンドリアに運搬するのである。そのためL-カルニチンが天然の脂肪減少とパフォーマンス向上サプリメントとして大々的に宣伝されてきたのも不思議ではない。
しかしL-カルニチンのサプリメントとしてのすべての理論的理由にもかかわらず、実世界での実績と科学的所見はあまりカルニチンサプリメントの役に立っていない。結果が驚くほど芳しくないのは、経口サプリメントでは筋肉のカルニチン濃度を上昇させるのは困難であることや、これまでのアミノ酸の形態では安定性が低く吸収率が劣っていたことなどがその主な理由だろうと考える研究者もいる。
胃腸管から循環血液に吸収されるカルニチンは推定5〜15%程度なのだ。幾つかの研究において、経口、注射ともカルニチンサプリメントによる筋肉中のカルニチン濃度の上昇は認められなかったため、研究者達は、筋肉収縮力に対する有益効果は筋肉以外のメカニズムを介するものだろうとしている。
今年の始め、アメリカとスイスの科学者が筋肉中の濃度を高める安定型のL-カルニチンを研究中に前述の論理を証明したようなのだが、その過程でたまたまその新しい利用法を見つけることになった。強度のエクササイズからの早期回復である。
このL-カルニチンL-タルトレート(酒石酸塩)と呼ばれる新型L-カルニチンを使用した最新の研究では、一般にDOMSとして知られるエクササイズ後に起こる筋肉痛(Delayed
Onset Muscle Soreness)を効果的に軽減し、パーフォーマンスを向上することが明らかにされている(早期回復はトレーニングセッションの頻度と強度を増大する)。
実験はL-カルニチンL-タルトレート2gを3週間にわたりエクササイズ前に投与してプラセボと比較して行われ、エクササイズ終了後3時間以内とその後の時間帯に様々な回復指標が測定された。そしてこの研究結果は高強度エクササイズの前にL-カルニチンL-タルトレートのサプリメントを投与すれば、回復を早める効果があることを示したのだ。具体的には、遊離基産生の低下、組織損傷の低下、筋肉痛の低下、回復中のエネルギー源としての脂肪利用率の改善などである。この文献の著者はL-カルニチンL-タルトレートが直接的あるいは間接的に血管を拡張することにより、酸素供給と運動中の筋肉への生化学物質のデリバリーおよびそれらの物質の筋肉からの除去を促進するのではないかと推測している。
最近発表された研究で、強度のエクササイズからの回復に対するL-カルニチンL-タルトレートの効果を扱ったものがもう一つあるが、これは前述のDOMSの実験と異なり、高強度なエクササイズ後の短期回復促進に対するサプリメントの効果に焦点を当てている。この研究は、健常成人男子12人に、L-カルニチンL-タルトレートかプラセボを5日間投与して行われた。各被験者のパワー出力は実験開始時に測定し、それぞれ激しい自転車こぎを15分間行わせた。回復状況は自転車こぎの後出力可能なパワーの量で測定した。L-カルニチンL-タルトレートサプリメント投与群の平均パワー出力はプラセボ群より11〜14%高く、L-カルニチンが短期回復とパフォーマンスの促進に寄与することを示している。
これについてこの文献著者は、L-カルニチンL-タルトレートが自転車こぎ中に脂肪酸の酸化を促進したためグリコーゲンが保存され、回復期にグリコーゲンをすぐ利用出来た可能性があると結論している。その他の説明としては、乳酸の蓄積の低下、長鎖脂肪酸の毒性からの筋肉細胞の保護や酸素供給量の増大などが挙げられる。
これら二つの研究結果は非常に将来性があるが、これらの所見を確認するとともにL-カルニチンL-タルトレートの作用機序を明確にするためには、より大勢の被験者を対象とした調査を重ねる必要がある。
L-カルニチンL-タルトレートは比較的新しい製品のため、まだスポーツサプリメントとして広く知れ渡ってはいないが、この特許形態のカルニチンを含む製品の一つにソースナチュラルズのサプリメントがある。前述の二つの研究結果から認められた有益効果を達成するのに必要な最低用量は1日2g(4カプセル)で、なるべくエクササイズ前に摂取し、最低3週間連続して使用すると効果があるようだ。
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