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敵を知ろう : 筋肉のデストロイヤー、コルチゾール
リーハン・ジャラリ
いわゆる「ハードコア」と言われているジムに行ってみれば、あちこちに大勢いる。 見分けるのは簡単だ。 至上の肉体完成を求めて何時間もウェイトを挙げているにもかかわらず、結局達成できずにいるトレーナー達のことである。彼らは絶望的なまでにオーバートレーニングに陥り、少しのトレーニングでも効果があるなら、どっさりやれば、なお効き目が大きいだろうという、あの古臭い労働倫理にとりつかれている人達なのだ。

こういうトレーナー達は、何年経っても殆ど何の改善も見られないにもかかわらず、とにかくコツコツとウェイトを挙げ続けていることが多い。結論を言うと、もし諸君がこのようなダイ・ハードのリフターの一人なら、コルチゾールが筋肉増強の可能性を文字どおり食い止めている可能性が充分ある。筋肉増強を熱望する熱心なウェイトトレーナーなら、このカタボリックホルモンに対し全力をあげて宣戦布告しなくてはならない。だが待てよ。コルチゾールの問題すべてをアタックする前に、この興味深いテーマの背景を探るのが順序として望ましい。理解は解決に導くからだ。

 

コルチゾール合成:コレステロール → プレグネノロン → プロゲステロン → 17ヒドロキシプロゲステロン → 11-デオキシコルチゾール→ コルチゾール

コルチゾールは副腎から分泌される天然のホルモンで、主にグルココルチコイドである。コルチゾールの厳密な作用はまだ完全に理解されてはいないが、生命に不可欠であることは解っている。長期にストレスを受けた場合、体の重要なプロセスの維持にコルチゾールが必要なのだ。

体が何らかのストレスを受けると、神経系を通じて視床下部に情報が送られる。視床下部はそれに応答してCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)に始まり、続いてACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、最後にグルココルチコイドのストレスホルモンを次々と放出する。(かなり込み入っているだろう?) 人体へのストレスには、トラウマ、不安、感染症、手術などがあり、筋力トレーニングやエアロビクスでさえその中にはいるのだ。

 

コルチゾールの主なカタボリック作用は、筋肉と結合組織中のタンパク質がグルコースとグリコーゲンへ転換するのを促すことだ。糖新生では、すでに形成されているタンパク質の分解(筋肉組織の分解)が進み、タンパク質の新規合成が減少する(筋成長の抑制)。最近の研究では、コルチゾールレベルの上昇がタンパク質の分解を5〜20%も高めることが明らかにされている。(3) たとえ軽度であっても血清コルチゾールレベルが上昇すると、健常人ではその2、3時間以内に血漿グルコースレベルの上昇とタンパク質カタボリズムの亢進が見られるのである。(4)

これが長距離ランナーに痩せ型の体格が多いことの理由の一つなのだ。体にあれだけのストレスをかけるランナーは、遊離基もコルチゾールのレベルも高い。もう一つの理由は、コルチゾールのアナボリックホルモン抑制効果である。

 

コルチゾールは、ソマトスタチン(成長ホルモン拮抗物質)の分泌を刺激して成長ホルモンを抑制する。またIGF-1の発現を低下させることもある(IGF-1は体内の最もアナボリックな物質で、成長ホルモンは肝臓でIGF-1に転換するため、成長ホルモンの有益効果の殆どはこの物質に起因している)。

 

コルチゾールレベルの上昇は、テストステロンレベルに有害効果を及ぼす。事実、テストステロンとアナボリックステロイドの主な抗カタボリック作用は、筋肉のコルチゾール代謝を低下させることなのだ。(5)ステロイドを摂取中のアスリートが、完全なオーバートレーニングになっても徐脂肪体重が増え、筋力が増大することが多い理由の一つはこれなのである。

コルチゾールは、強度のエクササイズを長時間行うほど増加する。オーバートレーニングになると、コルチゾールレベルが上昇し、テストステロンレベルが低下する。 テストステロン対コルチゾール比がオーバートレーニングの尺度 の一つになっているはこのためだ。ちなみに、オーバートレーニングとはトレーニングの量やエクササイズの強度、またはその両方を増大した結果パーフォーマンスが低下することと定義されている。

幾つかの研究では、レジスタンストレーニングへのコルチゾール反応は約5週間で正常に戻り、レジスタンストレーニングを長期に渡って行っても、テストステロン対コルチゾール比には有害効果はないことが明らかにされている(6)が、このことは体の適応反応を示唆している。

 

筋肉の分解に加え、コルチゾールは体脂肪の沈着を促進して体格を台無しにしてしまう。これは幾つかの別々の経路から起こる。

コルチゾールの過剰は、インスリンによるグルコース取り込みシステムの活性を低下させ、インスリン抵抗を招く。これはインスリン受容体以降の阻害によるものと思われる。(2) インスリン抵抗は、細胞へのグルコースの運搬を直接抑制し、細胞によるグルコース利用を低下させるのである。(1) コルチゾールはまた、筋肉細胞でタンパク質形成のために使われるアミノ酸利用率を低下させる。

コルチゾールは、下垂体のゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)とTSH(甲状腺刺激ホルモン)を直接抑制したり(7)、比較的不活性な甲状腺ホルモンT4をT3(トリヨードサイロニン)として知られる活性型に転換させる、5’脱ヨード酵素と呼ばれる酵素を抑制することもある。その結果代謝率が低下し、体脂肪を落すのが困難になるのだ。

 

最近私は、毎年開催される抗コルチゾール会議に出席する機会を得た。会場はラスベガス。Steroidogenesis Inhibitors Inc. 社およびアルフレッド・T・サプシ博士の主宰で行われたこの会議には、抗コルチゾール研究に携わる多くの研究者達が集まった。特にコルチゾール過剰症の治療のためにコルチゾールを低下させる様々なサプリメントや薬物に関する研究のアブストラクトが発表された。

中でも興味深かったのはサプシ博士の発表されたアブストラクトで、ギンコビロバ、ビタミンA,亜鉛、アセチルL-カルニチンなどコルチゾールのレベルを下げる栄養サプリメントに言及したものだった。 (8) その他発表されたアブストラクトには、コルチゾールの低下におけるDHEAとその代謝物質の役割を検討したもの(9)や、コルチゾールによって誘発される疾患の進行を検討したアブストラクトもあった。全体的にこの会議から得られるところは非常に多く、コルチゾールや抗コルチゾール治療法に関する多くの疑問に答えると共に、これからの抗コルチゾール研究の扉を開くものであった。

 
Step 1 : 良い習慣を身につける
1. 食習慣
栄養の欠乏を防ぎ、体が最適条件で機能出来るために必要な必須栄養素を充分に摂ること。それには質の良いタンパク質、複合炭水化物、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルをたっぷり摂る。また長く続けてカロリー制限をしないように気をつけること。正常なカロリー摂取を50%に制限すれば、それに従ってコルチゾールのレベルが38%も上昇することを示唆した研究もある。(10)
2. オーバートレーニングをしない
休みの日を設けないで、3日以上続けてトレーニングしないこと。 ワークアウトは最高1時間以内とし、強度な運動を効率的に行う。何度も言い尽くされていることだが、体の調子の変化に敏感になることだ。
ワークアウト間には充分な休憩日をとる事。筋肉痛が激しい時はもう1日休み、前回のワークアウトから完全に回復してからトレーニングする。この場合、量は少なくても効果は大きいことをお忘れなく。
3. リラックスし、ストレスを避けるよう努める
好きな人と夕方の散歩に出かけるとか、時間があれば昼寝をする。
4. 毎晩最低8時間の睡眠をとるようにする
疲労回復に睡眠は大切だ。
5. ワークアウト後はインスリンのレベルを上昇させる
インスリンはコルチゾールを抑制し、体からのコルチゾールの除去を促進する。 レジスタンストレーニングの後はコルチゾールのレベルが有意に上昇するため、ワークアウトの後に(高グリセミック指数の炭水化物を摂って)インスリン レベルを上昇させると、コルチゾールの過剰を防ぐことが出来る。
Step 2 : サプリメントを使用してコルチゾールを抑制する
さて、ここでチャレンジとなるのは、体に必要なコルチゾールの抗炎症効果を完全に抑制してしまうことなく、コルチゾールのレベルをコントロールすることだ。一つの方法は、抗コルチゾールサプリメントを朝の起床直後と就寝前に摂取することである。これらの時間帯はコルチゾールレベルが高いと思われるためだ。コルチゾール抑制サプリメントを就寝前に摂る理由は、睡眠中過剰なコルチゾールが産生されるのを防ぐためである。タイムリリース(持続放出)剤は長時間持続してコルチゾールを抑制するため、これには不適当だ。目的はコルチゾールレベルの上昇を抑制することであり、正常な生理学的レベルを低下させるためではない。前述したように、抗炎症その他の効果のため、少量は必要だからである。

以下は、ストレス(エクササイズ)によって誘発されるコルチゾールを防ぐために、私がお勧めするサプリメントである。

フォスファチジルセリン(PS)
: このリン脂質は主に認知機能向上効果のために知られているが、コルチゾール抑制作用もあると思われる。最近の研究では、800mgのフォスファチジルセリンを2分割して経口投与したところ、強度のウェイトトレーニングに伴うコルチゾールの上昇を抑制することが明らかにされた。(11) 実際同研究では、PS投与群は筋肉痛も少なかった。モンテレオーネによる初期の研究でも、この結果が確認されている。 コルチゾールのレベルを低下させると、テストステロン対コルチゾール比が高まることがあり、アナボリック効果に関与する可能性がある。PSはコルチゾールのレベルが上昇した時にのみこれを低下させるらしく、正常値以下に低下させることはない。

アセチルL-カルニチン : 基本的にこれはアセチル化されたL-カルニチンのエステルである。 このサプリメントは、強度のレジスタンストレーニング中とその後に起こるテストステロンの低下を防ぐ可能性がある。 ストレス反応を軽減する効果があるようだ。

L-グルタミン : これは筋肉組織中、最も豊富な遊離アミノ酸である。(12) タンパク質合成に非常に重要な役割を持ち、ウェイトトレーニングを行うアスリートには大切な物質なのだ。グルタミンのレベルが、オーバートレーニングやオーバーリーチングを示す良い指標であることを示唆する研究も幾つかある。(12) 言い替えれば、オーバートレーニングのアスリートは一般的にグルタミンのレベルが低く、コルチゾールのレベルが高い。ある研究では、グルタミンがコルチゾール誘発による筋肉収縮タンパクの分解を直接防止することが実際に明らかにされている。(13) グルタミンの有益効果は、タンパク質合成の促進、GHレベルの上昇(これはコルチゾールのカタボリック効果の幾つかを中和する)、強力な細胞肥大効果(筋肉細胞にアナボリックな環境を造る)の他、筋肉中のタンパク質回転率の調整にも一部関わっている。経口グルタミン サプリメントはオーバートレーニングの症状の幾つかを軽減し、小腸への燃料供給を促し、抗炎症機能を向上させる働きがあると考えられている。また免疫機能を向上させることも明らかにされている。 とにかく趣旨はお分り頂けただろう。 グルタミンはウェイトトレーニング アスリートには欠かせない栄養素なのだ。

ビタミンC : このビタミンは主にその抗酸化作用で知られているが、抗コルチゾール効果もあると考えられている。 「ビタミンCがコルチゾールとテストステロン対コルチゾール比に及ぼす影響」と題したストーンによる研究では、17人のジュニア ウェイトリフターに於いてコルチゾールの低下が示されている。同研究ではまた、ビタミンC投与群(1日1g)ではテストステロン対コルチゾール比が20%以上改善した。このようなコルチゾールの低下は筋肉と結合組織の肥大及びトレーニングからの早期回復に繋がるものである。 またビタミンCは風邪やインフルエンザの感染率を30%も低下させる(14)ためと、コラーゲン合成ノ役立つ可能性があるため、強度なウェイトトレーニングのプログラムを行う時はビタミンCを余分に摂るのが賢明であろう。

亜鉛: このミネラルは、テストステロン合成やステロイドホルモン産生など、体内の300以上の酵素反応に不可欠な共同因子である。ウェイトトレーニングにおいて、亜鉛を充分摂っているか否かでトレーニング効果の大小が決まってしまうくらいだ。

ビタミンA: このビタミンは、しばしば健康的な皮膚の機能の維持に使われているが、サプシ博士によれば、コルチゾールレベルを抑制する効果もあるそうだ。これは博士が1997年のコルチゾール・抗コルチゾール会議で発表したアブストラクトで示唆されている。(8)

ギンコビロバ: このハーブは、血液の循環を高めて脳への酸素供給を増大し、知的集中力を高める、主に認知機能に対する優れた効果のために利用されているが、1997年のコルチゾール・抗コルチゾール会議で発表されたアブストラクトによると、それに加えてコルチゾールレベルを低下させる効果もあるようだ。(15) この研究で示されたギンコビロバの抗ストレス及び神経保護作用は、グルココルチコイドの生合成に対する効果によるものであった。

DHEA : 副腎のこの天然ホルモンは30歳頃から減少し始めるが、パワフルな抗コルチゾール効果があると思われる。 1997年の会議で発表された多くのアブストラクトは、コルチゾールレベルを低下させるDHEAの役割について検討したものであった。DHEAは脂溶性であるため、血液脳関門を通過することが可能で、認知機能にも何らかの効果がある。

 

厳しいトレーニング プログラムを行うアスリートにとって、コルチゾールの抑制は回復のプロセスに不可欠であろう。実際オーバートレーニング症候の兆候の一つは、コルチゾールの高値なのである。 コルチゾールレベルの調節(完全に抑制するのではない)は、ウェイトトレーナーがエクササイズから完全に回復して最大限の効果を得る(誰でもそうしたいものだ)ための不可欠な要因である。

これは将来も徹底的に研究されるテーマであろう。 コルチゾールに対するサプリメント対策の研究によって、ウェイトトレーナーがワークアウトから最大の効果を得ることが出来、早期回復とそのプロセスの改善が期待される。ところで、コルチゾールのレベルを抑制すれば怪力ヘラクレスに変身出来ると考える前に、コルチゾールは大きく複雑なパズルの只の1片にすぎないことを覚えておきたい。筋肉増強の真の可能性は、適切なトレーニング、栄養、サプリメント摂取などを組み合わせて始めて極めることが出来るのである。 と言っても、コルチゾールに対する対策を採用するのは悪い事ではない。特にカロリー制限のダイエット期には必要だ。今後ウェイトトレーニングのプログラムを実行中に疲労感を覚えたり、気だるい感じがしたり、筋肉痛が異常に長期間続いてその原因がわからない時は、コルチゾールレベルを調べてみることだ。 案外その答えが見つかるかも知れない。

参考文献:

(1) Griffin J, Ojeda S. Textbook of endocrine physiology, 3rd ed. New York: Oxford University Press, 1996.
(2) Rizza, et al., "Cortisol-induced insulin resistance in man. Impaired suppression of glucose production and stimulation of glucose utilization due to a post receptor defect of insulin action," J Clin Endocrinol Metab 54 (1982) : 131-138.
(3) Brillon, et al., "Effect of cortisol on energy expenditure and amino acid metabolism in humans," Am J Physiol 268 (1995) : E501-13.
(4) Simmons, et al., "Increased proteolysis: an effect of increases in plasma cortisol within the physiological range," J Clin Invest 73 (1984) : 412-420.
(5) Hickson, et al., "Glucocorticoid antagonism by exercise and androgenic- anabolic steroids," Med Sci Sports Exerc 22 (1990) : 331-340.
(6) Fry, et al., "Resistance exercise overtraining and overreaching. Neuroendocrine responses," Sports Med 23.2 (1997) : 106-129.
(7) Chrousos, et al., CRH, Stress and Depression: An Etiological Approach (Las Vegas, NV: Conference on Cortisol and Anti-Cortisols, 1997)
(8) Sapse, et al., Anticortisols in the Treatment of Retinitis Pigmentosa (Las Vegas, NV: Conference on Cortisol and Anti-Cortisols, 1997)
(9) Baulieu, et al., Anticortisols: Their Potential Usefulness (Las Vegas, NV: Conference on Cortisol and Anti-Cortisols, 1997)
(10) Kelley, et al., "Energy restriction and immunocompetence in overweight women," Nutrition Research 18.2 (1998) : 159-169.
(11) Fahey, et al., Hormonal Effects of Phosphatidylserine (PS) during two weeks of intense weight training (Orlando, Fl : ACSM Conference, 1998)
(12) Rowbottom, et al., "The emerging role of glutamine as an indicator of exercise stress and overtraining," Sports Med 21.2 (1996) : 80-97.
(13) Hickson, et al., "Glutamine prevents down regulation of myosin heavy chain synthesis and muscle atrophy from glucocorticoids," Am J Physiol 268 (1995) : E730-E734.
(14) Anderson, et al., "Vitamin C and the common cold: A double-blind trial," J Canadian Med Assoc 107 (1972) : 503-508.
(15) Papadopoulos, et al., Regulation of Glucocorticoid Synthesis by the Ginkgo Biloba Extract EGb 761 and isolated Ginkgolides (Las Vegas, NV: Conference on Cortisol and Anti-Cortisols, 1997)
16. Norbiato, et al., In Vitro Immunomodulatory Effects of Delta 5-Androstene-3b,7b,17b Triol (AET) in Hypercortisolemic Patients (Las Vegas, NV: Conference on Cortisol and Anti-Cortisols, 1997)
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